第3章 伏黒甚爾 嚙みつくようなキス
「抱かれたい」
その五文字が出るまで時間はかからなかった。
甚爾は自分の服を脱ぎ捨てると
わたしを抱きあげてベッドのうえに下ろす。
持ち上げられている間も
脱がされている時もずっとキスをして…
「甚爾…、んっ甚爾…」
「俺も余裕ねぇから観念しろよ」
唇どうしが触れながら色っぽい声で囁く。
舌を強引に絡みとって突いて…
わたしの愛液があふれ出る。
甚爾がするキスが好き。
甚爾がしてくれることが全部好き。
「なまえ…」
反り返った固いペニスを擦りつけられ、奥に入り込む。
「く…相変わらず名器だな」
「あっあぁぁ…甚爾…んっ」
密着した体がゆっくり揺れる。
このままずっと甚爾の腕の中に閉じ込められていたい。
この体温を離したくなくて
心の中でも甚爾の名前を呼び続ける。
「ふ、なんて顔してんだ。
誤解させるような真似して悪かったよ」