第8章 夏と恋とひんやり甘味
それから私がお店を閉めた日は時間が許す限り、続逸さんとの時間が合えば二人でお出かけに出かけた。そして、歯ブラシ作りもせっせと頑張った。
そんなある日ー。
「郵便です。」
郵便屋さんがお手紙を届けてくれた。
「ありがとうございます。誰からだろう?はっ!?えっ??」
見たことないような封筒に手紙が入っていた。よく見ると徳川家康様からだった。
「すごいっ・・・。」
手紙には歯ブラシセットが気に入ったのでまた城に届けて欲しいという旨だった。私はすぐに返事を書いて徳川家康様に届けた。
そして家康様のためにせっせと歯ブラシセットを作り始めた。
「あっ、そろそろ竹がないわ。山から取りに行かないと。」
こんな時に限って雨が降る。
「あーあ、雨か。」
雨の場合は足場が悪くなるので山に行くのは控えているのだ。
「仕方ない。明日もあるし様子見るしかないか。」
私のいた時代なら天気予報で明日の天気を知ることができるけどこの時代にそんなものはなく明日になってからじゃないと天気がわからないようになっている。
なので、この日は諦めて寝ることにした。
そして翌日。よく晴れていたので身支度をして朝から山に向かって竹を刈り取りに出かけた。籠いっぱいに竹を取って家に戻っておむすびを作って食べた。
シンプルな塩むすびがとても美味しく気がついたらニ個も食べていた。
この日の朝ごはんは塩むすび二個と野沢菜の漬物、お茶だ。
それからカルシウム不足を防ぐために煮干しを齧って終わった。食べ終わり、後片付けをして歯を磨いてから歯ブラシ作りに取り掛かかった。
こうしているうちにお昼になり、食材を買いに出店に繰り出した。