第8章 夏と恋とひんやり甘味
お店も順調だけど恋の方も順調に進んでいる。あれから続逸さんとはお互いの時間が合う時に度々、二人で出かけている。今でいうデートのことだ。
携帯電話がない時代なので連絡はものすごく待つけどその分、返事の手紙が届いているとなんだか嬉しい。
続逸さんは私の話をよく聞いてくれる。バターとか生クリームとかわかんないんだろうけどそれでも頷いてくれる。
「知らない話してごめんなさい。」
「いやぁー穂乃果さんの話は楽しいから退屈にならなくていいなぁ。新作の献立を楽しみにしてるさかい。いつになったら食べられるんやろう?」
「葉っぱ赤や黄色に色づく頃には食べられますよ。」
私はにこやかに笑った。
続逸さんから告白されてそして今ーーーーー。
自然と手を繋ぎ、歩くことができている。
そういえば私のいた時代なんか恋愛ものの少女漫画や小説で溢れているから色々見慣れちゃってるけど江戸時代の男子だって負けてはいない。
なんでそんなことできるの?とか何でこんな仕草知ってるの?ってくらい私をドキドキさせてくれる。まるでドラマの俳優みたいなそんな感じ。
毎日がお陰でさらに楽しくなった。
続逸さんありがとうございます。それに恋愛なんて久しくしてこなかった私にとって新鮮な感じがした。