第8章 夏と恋とひんやり甘味
私は秋になる前になんとかバターが作れないかと試行錯誤することにした。
そういえば小学校の自由研究でバターを作ったことがあるけど・・・あの時は生クリーム使ったんだよなぁ。でも、江戸時代に生クリームはないからそもそも生クリームから手作りかぁ。
どうしよう???
バター自体は生クリームと蓋付きの容器と割り箸さえあれば手に入るので江戸時代でも作れそうではあるが肝心の生クリーム作りから始めなければならないことに気づいてしまった。
「そうだよね。生クリームって名前くらいだもん。搾りたての新鮮な牛乳じゃないと作れないんだわ。ねぇ、好子ちゃん達の知り合いで酪農家さんいる?」
私が女子達に聞くと皆んな知らないようで首を横に振るばかり。
「だよね。突然こんなこと聞いてごめんね。だとすると源平さんの知り合いとかいないかな?」
「でもなんで酪農家さんがいるんやろ?」
舞子ちゃんが私に聞いた。
「究極のバターを作るためよ!」
「ばたー??とはなんやろか?」
女子達が聞いてきたので教えてあげた。
「バターはコクと旨味の塊なの。お鍋に入れれば油の代わりにもなるし焼いた野菜とかにかけるソース?いや、味付けにもなるのよ。それにはまず生クリームを作ることから始めなければいけないの。」
「はぁ・・・・???なま?くりーむ???穂乃果さんは時々、うちらの知らんことを言いますのやな。なまくりーむとはなんでしゃろ?」
女子達が不思議がっていたけどこれ以上の説明は後にしてとりあえず女子達には説得して私は源平さんの米農家に手紙を出すべく机に向かった。だって米農家に折角言っても知らないじゃ、意味ないじゃない?
まずは酪農家の知り合いがいるかどうか聞き出さなくちゃと私は意気込んだ。