第8章 夏と恋とひんやり甘味
お客さんが来てからは大盛況で大賑わいの店内となった。
普段とは違う献立も出したため違う味や料理に皆んな驚いていたけど美味しいと食べてくれた。
「らぁめんは山椒をかけると刺激になっていい感じの味になりますよ。」
私はそう言ってらぁめんを机に運んだ。
本当はコショウが良かったけどこの時代は手に入らないので山椒にした。山椒入りのらぁめんは味を見たけどそれなりに美味しかった。
「ピザは手で食べるんです。食べ方を教えますね。耳となっている生地の上の方を片手でこんなふうに摘んで食べるといいですよ。上にかかっているのはチーズです。チーズは牛乳を固めて水分を抜いて発酵といってしばらく置いて作るものです。お茶の缶がカラになったのでそこに牛乳を入れて作りました。色んなチーズの種類があるのですが、これはカッテージチーズというものです。さっぱりした味で美味しいですよ。あとはトマト味の味付けに野菜を入れて鍋で焼きました。食べる時は均等に三角に切って食べてくださいね。熱々でチーズが溶けて美味しいんですけどよく冷ましてから食べてくださいね。」
特にピザとらぁめんは大好評だった。
最初は手で食べるのを躊躇していた江戸の市民も私の説明に耳を傾けて手で食べるようになった。
「ほえーそげなうまいもんがあったのか。」
人々がそう言っていると扉が開く音がした。
ガラーッ。
「穂乃果さん、来たでーー!」
「吾郎さんと綾さんいらっしゃいませ。あっ、源平さんもありがとうございます。」
いつもの2人と源平さんが来てくれたのだ。
「綾さんのお腹、見ないうちにまた大きくなりましたね。」
「はい、つわりが落ち着いてやっと臨月になる頃です。」
「凄い!じゃあ、もう時期産まれるんですね?」
「だといいんですけどね。」
そんな会話をしているとやっぱり綾さんと吾郎さんに出会ったよかったなとつくづく思った。