第8章 夏と恋とひんやり甘味
江戸っ子達は用意した遊びを楽しんでくれた。輪投げもボーリングもやり方を教えてあげたらすぐに上達したので私の方が驚いてしまった。
「すごいね!」
そして夏祭りの目玉はスイカ割り!
「この西瓜で美味しいおやつを作ろうと思うのでお楽しみにしててください。子供達にも手伝ってもらいたいんだけどできますか?」
と私が提案したら子供達が元気や手を上げてくれた。
一人一人、目隠ししてスイカを割っていく。そして六人目の大きなお兄ちゃん(小学5年生くらいの)が見事にスイカを真っ二つに割ってくれた。
「お見事やね。そんなら子供達に手伝って欲しいんだけど、今から私が包丁でスイカの中身だけ切るからこの四角い箱に詰めて欲しいんよ。」
私が出したのは製氷機でよく使う氷になるやつ。仕切られた四角い箱に水を入れて冷凍庫に入れると氷になるんよね。ここに切り取ったスイカを次々と入れる。冷凍庫はないけど形だけ四角くなればいいなと思ったから職人にお願いして木材で作ってもらった。
そして今度はぽっかり空いたスイカの中に切ったいろんな果物と四角いスイカの中身をどっさり入れて冷やした白玉時寒天も入れて最後に梅と果物のお酢割りを入れて完成した。
「お待ちどうさまです。特製のスイカの甘味できましたで!名付けてスイカ丸ごと清涼感詰めです。」
続逸さん達に机にスイカを運んでもらうとお客さんから歓喜が沸き起こった。
「おおーー!」
そして皆んなでスイカの丸ごと清涼感詰めを分けて食べた。
「スイカは食べたことあるのになんだか初めて食べたような気がするわ。」
「らぁめん、うまかったなー。ぜひ、通常の献立にも入れてくれよ。」
色んな声が聞こえた。
そして夏祭りも終盤となった。