第8章 夏と恋とひんやり甘味
私のいた時代ではパソコンでもスマートフォンでもゲーム(遊び)なんて溢れているし、テレビゲームなんかもある時代だ。なのに江戸ではそんなものなんかなくたって生活できているし、ましてや当たり前に見てきたテレビもない。けど、人々は活き活きと暮らしてるし機械なんかに頼らなくても生きていけるということを再確認させられた気がした。
「江戸ってすごいなぁ。」
と改めて思う。
冷蔵庫なんかなくたって野菜の保存方法さえ知って取得すればなんとかやっていける。本当はパウンドケーキやタルトも作りたいところだけど専用の型もないしオーブンもない。
あっ!そうだ。プリンなら作れるかな?牛乳と卵で作るんだもんね。カラメルは砂糖と水でできるし・・・まずは期間限定のおやつに加えちゃおうっと。
いや待てよ?プリンってそもそもスプーンで食べるんだよね?この時代にスプーンなんてあったかな?
うーん。お店ように見よう見まねで竹で作るかそれとも山に行って木材を切ってきて作るか・・・。まずはそこからだよね。
そもそもピザは作れたけどパスタの場合って箸だと食べにくいのかな?でもフォークもないんだよなぁ。
ううん。おむすび屋なのにパスタなんて作ったら主食のオンパレードになりかねないか。やっぱりパスタはやめておこう。
色んなことご頭の中で巡っていた私は最後の準備に取り掛かかった。
沢山の人が来てもいいように湯飲み茶碗とお皿はたくさん用意した。
よし、あとはお客さんが来るのを待つだけだね!と、みんなで意気込んだ。