• テキストサイズ

江戸でおむすび屋さん始めました!

第8章 夏と恋とひんやり甘味


「あれ?穂乃果さんは?」
お手伝いの女子達がお店にやってきたのは翌日のことだった。
「竹でも切りに行ってるんやろか?」
「だとええんけどね。」
女子達が口々に言った。それからお店は開店したもののお手伝いの女子達で回すことになった。
「あれ?穂乃果さんは?」
常連さんがお手伝いの女子達に聞いてきた。
「すみません。私達もわかりまへんのや。こんなこと初めてでして。穂乃果さんなら休むなら休むって言ってくれはる気がするんやけど山に竹を切りに行ってるんやろか?それにしても遅いなぁ。」
舞子ちゃんが常連さんに頭を下げた。
「そうか。それならええんけど。ちと心配になってな。お店にはいないんやろ?」
「はい。実はこのお店の裏が穂乃果さんの住居になってるらしくて探したんやけどいなくて書置きもないからどないしたんやろって。」
舞子ちゃんが常連さんと話しているとガラーと扉を開ける音がした。
「こんにちはーと。お米を届けに参りましたって穂乃果さんは?」
源平さんが荷車を引いてやってきたのだ。荷車には米俵がたくさん積んであった。
「源平さん、いつもありがとうございます。それが穂乃果さんは今日は見えなくて・・・きっと帰ってきますわ。」
詠子ちゃんがやって来てそう言った。
「それならいいんやけどね。どないしたんやろうな?もしかして吾郎のとこに行ってるんやろか?この後、息子の家を訪ねて聞いてくるさかいな。」
源平さんは慎重な面持ちで言って米俵をお店の奥に運んでくれた。
/ 130ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp