第6章 清涼感たっぷりアジのなめろう
「あのさ、かき氷を作りたいと思うんだけどどう思う?」
私はこの日の仕事終わりにお手伝いの女子達に提案してみた。
「いい案だとは思いますけど氷をどうやって運ぶんやろか?」
舞子ちゃんが私に聞いた。
「そこなんだよねー。山奥に氷を保管してある所があるらしくて場所は聞かなきゃだけど、そこから運ぶにしても運んでる最中に溶けちゃうよね。私の時代いや、えっと私の住んでいた所には製氷機とか冷凍庫とかあったんだけどなぁ。」
「せいひょうき?とはなんですの?」
詠子ちゃんが私に聞いた。
「氷を削る機械だよ。冷凍庫は氷を固める箱みたいな物でー。冷凍庫があれば簡単に凍らせられるんだけど。氷を保管する倉ってこの町で作るのは難しいのかな?」
私は女子達に聞いた。
「無理やと思いますよ。山の方が涼しいしここなら暑くてすぐに溶けてしまうんじゃないやろか?それに天然の氷をここまで運んできたとしても溶けてしまうんじゃないかと。」
好子ちゃんが考えながら言った。
「そうだよね。」
いや待てよ?製氷機の仕組みさえわかっていれば製氷機だけでも作れないかな?くるくる回すところと氷を削るギザギザのところがあればいいんだよね?でも製氷機ってプラスチックのイメージあるからなぁ。竹だけじゃあ無理あるよね。
プラスチックってそもそも何でできてるんだろう?江戸で手に入るもので作れる物うーん?木材で作れるとか?だって鎌があるくらいだから鉄鋼とかは発達してるんだろうしそもそもお侍さんが刀を腰につけてるくらいだから刀の技術を応用すればできないこともないんじゃないかな?
「まずは刀の作り方を知りたいわ。どこかいい所知ってる?」
私の問いに女子達は困惑気味だった。それなら続逸さんに聞いた方が早いかも。私はこの日の夜に早速、彼に手紙で聞いてみることにした。まぁ、いい返事がもらえるとは限らないけど理由を書けば答えてからるかもしれないし。