第6章 清涼感たっぷりアジのなめろう
私はよくこんなことができてすごいねと言われることがある。でもそれは私が開発したものではなく元々私の時代にあったものを持ち込んだだけ。でもそれを江戸の人達に説明してもわからないだろうからそこは触れないでいる。
そして私が江戸の人達に伝えたいことはお米がこんなに美味しいということ。工夫をすれば可能性はいくらでも広がるんだよということ。
最初に始めた歯磨き粉、歯ブラシ作りもこんなに上手くいくとは思わなかった。そもそも江戸のある材料で作れるとも思わなかったから。でもやればできるということが自信につながった。
だからこのお店も開店することができたのだと思う。これからもこのお店を軸に色んな可能性を広げていきたいと思った。マヨネーズだってシーチキンだってやればなんとかできた。だからかき氷だってできるはず!私のいた時代と江戸時代ではあるものとないものが当然ある。当たり前に過ごしていたありとあらゆる物が江戸時代にはないと不便に思うかもしれない。でもそこを知ることでこんなこともできるよねとか、こうしてみるといいかもと可能性が広がってくる。冷凍庫がないならなんとか工夫してやってみるのがいいのかも知れない。
ただ、いちいち氷を運んでいたらキリがないしお店にどうやって氷を保管するのか悩ましい所だ。いくら部屋の中を涼しくしても氷に適した温度じゃないと氷が溶けてしまうのではないかと思う。
解決してない部分を補うって大変だなと日々思った。