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江戸でおむすび屋さん始めました!

第5章 だし巻き卵は母の味


それから私と続逸さんの手紙交換が始まった。最初は親しい友達感覚のやり取りが続いた。お互いの仕事のことを書いたり日々の出来事を報告しあった。私の時代ではスマートフォンでのLINEのやり取りが主流のため、手紙を書くのは久々だった。
字が汚くて読めないなんて言われないか内心ヒヤヒヤしたけどそんな心配をよそに彼は手紙を送ってくれた。彼からの手紙が届くとほっとする。LINEのようにすぐにとはいかないけれど手紙がいつ届くのか待っている日々も楽しい。彼は武士なので手紙を書く暇がないかもしれないと書いてくれたこともあったが欠かさず手紙を出してくれる。それがなにより嬉しかった。

私の方は仕事が軌道にのり、旅人がお店に訪れてくれるようになった。お客さんの接客をしながら話を聞くのも楽しい。旅人の苦労話を聞いて頷いたり、常連客の日々の話を聞いたりした。そしてなによりも私のお店に来てくださる方々は皆んな優しさに溢れていてほっこりする。
「今日も仕事を頑張るぞ!」
私はそう意気込んでお米をお釜に入れて研ぎ始めた。
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