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江戸でおむすび屋さん始めました!

第13章 熱々のくらむちゃうだーの季節


そんなある日、綾さんが私のお店を訪ねて来た。

「もうお店を閉めようかと・・・・綾さん!?こんな遅くにどうしたんですか?笑子ちゃんは??」
私が驚いてそう問いかけると綾さんは目から涙をこぼしながら話してくれた。

「笑子は五郎と一緒にいます・・・・・聞いてください。この間、お義父さんが私達の家を訪ねて来て言ったんです。跡取りの孫が欲しかったと」
「それって男の子が欲しかったと言うことですよね?確かに聞いたことがあります。この時代って跡取り息子が重要なんですよね?家業や農業を継ぐのが男の子だと考えていたら。私の時代ではあり得ない発言です。それで五郎さんは何て言っていましたか?」
私が真剣な顔でそう聞くと綾さんは涙をこぼしながら話してくれた。

「五郎は呆れていました。女の子も可愛いけど、次は男の子を産んでくれよって・・・・笑子だってまだ生まれたばかりなのにもう次の子供の話ですか?早すぎます・・・・それで私はイライラして家を飛び出してしまいました。こんな遅くにしかもお店を閉じる所なのに押しかけてすみません」

「そんなことないですよ!ちょっと待ってくださいね。一旦、お店は閉めますから」
私はそう言ってお店の看板を下げて戸を閉めた。

「夕飯はまだですか?」
「冷飯は食べて来ましたが食欲がなくてあまり・・・」
「それなら元気が出るご飯を作ります。ここで作りますので見ていてください!」

私は料理をしながら綾さんから話を聞いた。

本来、お嫁さんが旦那さんの所に嫁ぐ際は旦那さんと一緒に同居している義理両親とも暮らさなければならないらしい。幸い、五郎さんの所は義理両親が米農家で少し遠くにいるので綾さんと綾さんと五郎さんは現在で言う核家族に値することになる。

なぜなら、義理両親とはお兄さんが一緒に住んでいるからだそうだ。

しかし、お兄さんは結婚しておらず、五郎さん夫婦に孫を託したとのこと。

「子供は神様からの授かり物なのに。ふふっ、綾さん知っていましたか?」
「えっ?何がですか?」

「子供の性別って男性によって決まるんです。私のいた時代ではそう決まってます」
「ええええ?そうなんですか?」
私が笑いを堪えながらそう言うと綾さんが驚いていた。
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