第12章 初めましてと秋刀魚の季節
翌日は続逸さんと出かけることになった。なんだか二人で出かけるのが久しぶりに思える。
「すっかり紅葉の季節だなぁ。」
私が嬉しそうに言うと続逸さんが頷いた。
「そうだな。」
「この時代にも紅葉狩りってあるんですか?」
私が聞くと続逸さんが怪訝そうに聞いた。
「この時代?」
「あっ、いえ。なんていうか・・・その・・・。」
「あはは、穂乃果さんは時々おかしなこと言うもんじゃなー。」
私が口籠もっていると続逸さんが笑った。
そんなにおかしかったのかな?私は心の中でモヤモヤしていた。
なんだろうこの気持ち・・・。吾郎さんや綾さんならわかってくれるんだろうけど・・・。
「穂乃果さん、どこか具合でも悪いのかい?」
続逸さんの言葉にハッとさせられて違いますと、首を横に振った。