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江戸でおむすび屋さん始めました!

第2章 削り節おむすび(おかか味)


「吾郎、女性が着替えるんだから暫く外で待ってなさい!」
「はーい。」
2人のやりとりを見ていて何だかほっこりする。
私は男が外に出たのを確認してから服を脱いで着物に着替えた。着付けは女性がやってくれた。
「あの、お二人はお名前はなんて言うんですか?私は穂乃果っていいます。」
「穂乃果さんね。覚えておくわ。私は綾で旦那は吾郎っていうの。旦那はお綾って呼んでくれるけどね。さぁ、できたわよ。あっそうだ!髪の毛も結わないとね。桃尻割れでいいかしら?」
「はい、ありがとうございます。」
今でも信じられない。私が江戸にいるなんて。歴史の勉強や大河ドラマ?いや時代劇や映画でしか見たことのない世界。はたまた小説や漫画でしか読んだことのない世界に私はいる。
「これでよしっと!吾郎ー入ってきていいわよ。」
「へいへい!おお、見違えるじゃねーか。これでおめさんも立派な町娘だべ。」
「ありがとうございます。あの私の名前は穂乃果って言います。奥さんからあなたの名前を聞きました。吾郎さんですよね?」
「それは気が早いな。そうだべ。しかしまずいことになったぞ!俺らもずっと穂乃果さんを匿ってる訳にはいけねーしな。」
「それもそうね。」
吾郎さんと綾さんが口々にそう言った。
確かにずっとここにお世話になる訳にはいかない。
「あの、この時代ってお米はお釜で炊くんですよね?お米の炊き方教えてください。」
私が綾さんにそうお願いしたら快く引き受けてくれた。
「いいわよ。じゃあ、薪をくべるから着いてきてもらっていいかしら?」
「はい、ありがとうございます。実は私、お米が一番大好きなんです。その魅力をもっと沢山の人に伝えたくて・・・先ほど言ってたじゃないですか?ずっとここに匿ってる訳にはいかないって。私もここにずっとお世話になる気はありません。そこで考えたんですけど、おむすび屋さんをやろうと思っていまして。私のいる世界ではおむすび、おにぎりと二つの呼び名があるんです。今は形や具材も自由自在なんですよ。なので私のいる世界の味をできる限り皆さんにお届けしたいと思って。」
「それはいいことじゃない。素敵ね。」
「ありがとうございます。それで建物はどうやって借りればいいんですか?」
私の問いに二人がきょとんとしていた。
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