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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第4章 錬金術師の苦悩





「今回の件でひとつ貸しができたね、大佐」

司令部に戻るなり、エドワードくんはしてやったり顔で大佐にそう言った。
にんまりと笑うエドワードくんは楽しそうで半面大佐のほうは、苦笑いをしていた。

「、手当しに行くわよ」

もう少し様子を見ていたかったが、先ほどよりも肩が痛む。
さっきまでアドレナリンが出ていたんだと思う。

圧迫をしていたからか、血は既に止まっていた。
ガーゼを張り包帯を巻き、痛み止めの薬と解熱剤を何日か分もらい、私は軍医に頭を下げた。

「副作用がでたらすぐに連絡をください」
「わかりました、ありがとうございます」

銃で撃たれただけでは熱は早々でない。
しかし私は人よりも随分と体温が低い、そのため免疫力や抗体が非常に弱い。
怪我をすれば簡単に熱が出てしまうこともあるし薬の副作用で死ぬ恐れもある。
だから、軍医は私の異常さを知っている。
薬も一番弱いものだ。
それでも副作用がでる時があるからその時は軍医または大佐に連絡を入れる様に義務付けられている。
そういう義務付けがされたのはこの体質のこともあるし、数年前に死にかけてしまったことも原因の一つだけど、それはまた今度話そうと思う。


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