第2章 炭鉱の街
――・アールシャナside――
リオールの街を後にし、私達は汽車に乗り込んでいた。
リオールより更に東へと向かっている様だが、車内の空気は妙に思い。
いろいろ聞きたいことがあるのだろうが、何から聞けばいいのかわからない、と言ったところだろうか。
私はゆっくりと息を吐いて、静かに口を開いた。
「聞きたいことがあるのでしょう。答えられる範囲でお答えしますよ」
びくりと、肩が揺れ動くエドワードくん。
先ほど彼には人体錬成をしたことを伝えたが、何を"持っていかれた"のかははなしていない。
アルフォンスくんも気が付いているはずだ、彼もまたエドワードくんと同様、頭のいい子だから。
「誰を、錬成しようとしたんだ?」
「兄です。兄はイシュヴァール殲滅戦に赴き、戦死しました」
「人体錬成は、失敗した……?」
「あんたは、何をもっていかれた。見たところ、どこも持って行かれているようには……」
「エドワードくん、手袋を脱いで左手を出してください」
眉を寄せるエドワードくんだったが、私の言う通りに生身の左手を差し出し、私はその手を握った。