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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第12章 それぞれの行く先







――・アールシャナside――



次の日。
ヒューズさんとアームストロング少佐が病室に来た。
彼らに話しておかなければいけないことがあったため、私が呼んだのだ。

あの日、第五研究所で何があったかを2人に説明する。
外で待機をしていたアルフォンスくんの話を聞いて、目を見開いた。
まさか敵と戦っていたなんて思いもしなかった。
しかも敵がアルフォンス君が悩んでいた原因を作っていたなんて。

「申し訳ありません、アルフォンスくん。あなたの身も危険にさらしてしまって」
「さんのせいじゃないよ。それにあの時兄さんについていくように言ったのはボクのほうなんだし」

だとしても、だ。
仕方がないと簡単に割り切れることでもない。
そんな私に「続けるぞ」とエドワードくんは口を開いた。
そうだ、今は反省の時間じゃない。
反省はあとで一人でじっくりやろう。

エドワードくんはヒューズさんと少佐に「こいつに蹴られた後はもう覚えていない」とノートに書いたイラストを見せた。
そこに描かれている人物は私にキスをした人物。
エドワードくんはそのことには一切触れなかった。
それを言ったらヒューズさんがキレるとわかっているからだろう。

「魂のみの守護者……、貴重な人柱……、生かされている……、エンヴィーなる者……。マルコー氏いわく、東部内乱でも石が使われていた……」
「ウロボロスの入れ墨に賢者の石の錬成陣……」
「ただの石の実験にしては謎が多いですな」
「これ以上調べようにも今や研究所はガレキの山だしな」

ヒューズさんと少佐の言葉に私達は眉間に皺を寄せ頭を悩ませる。
ここまできて手詰まりなんて。
どうにかしてどうにかできないだろうか。










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