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不思議と不思議のクロスワールド

第2章 プロローグ



───私の生まれ育った島は不思議な天候をしている。

色んな地方の大陸がある慣れ親しんだ方角側は、海面が穏やかで常に快晴。

その一方で、島より『奥側』とされる反対側では嵐が吹き荒れ、高波・渦潮が海面を乱し、空には先が見えないほどの暗雲が立ち篭めて頻繁に落雷が轟いている。

そして丁度天気の割れ目とされる場所には我が家の所有している島があり、割れ目の真下は『異世界に繋がる堺』とされていた。




───そんな正反対の天気に挟まれているこの島で、最期まで過ごした私の祖母には祖父との不思議な昔話がある。

身長が6mを超える体格の良すぎる大男で、顔には立派な白い口髭、綺麗な金髪金眼の人間……らしい。

職業は仲間募集中の海賊船長。正に子供向けの話に出てくるアドベンチャーの主人公だ。



───とは言え、私は祖父を見た事ないし声を聞いた事もないが、おばあちゃんからはしょっちゅう楽しい冒険話を沢山聞いていた。

そりゃあ小さい頃は夢中になって話を強請っていたけど、色んな野生と家族のポケモンと共に大きくなって、独り立ち出来るトレーナーになると嬉々として旅立って。

程なく4m超えに怪力過ぎた長身の父親と、スーパーマサラ人でカントー出身の母親、そして不思議いっぱいの祖母が他界して、凡ゆる地方を冒険しまくった14歳の私は思う……



「どこにもないじゃん空の島!!人魚が住んでる綺麗な海底も、火山と氷河の連なった島も!!それっぽい場所も無いじゃん!!って言うか、何より6m越えの人間いたら探す以前にあちこち大騒ぎだわぁああ!!」



あれは祖父母の体験を面白おかしく変えたものか、全てが想像ばかりの作り話だったのでは……。

そう思い知った私は非常にショックだったが、かつて祖母から聞いた昔話を架空の御伽話なのだと理解した。

しかし、それは故郷の島に白鯨の大船がやって来たある日、大きな間違いだったと知ることになる。




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