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不思議と不思議のクロスワールド

第3章 運命は須くハリケーン



とある海賊が蔓延る世界の東側では、こんな言葉が存在する……恋はいつでもハリケーン!!

男は若くしてその衝動を思い知った、その名も世界最強の海賊、白ひげことエドワード・ニューゲート。新世界に君臨している四人のうちの一人、皇帝のような存在と恐れられる中で世界を滅ぼしかねない能力、グラグラの実を力を使い熟せる地震人間。そんな世界政府にとって危険極まりないこの男に、本気で恋に落ちた女性がいたのは家族以外では誰も知らない。

そして何十年も偉大なる航路(グランドライン)を旅するエドワード・ニューゲートは、「いつだって運命ってもんは突然現れるものなんだ、何事もハリケーンのレベルで襲ってくる」と愛する家族達には何度も語っていた。何しろ若かりし頃に身をもって経験したもので、それは今や白ひげ海賊団では新参の若者達への教訓になっている。

そんな彼らは新世界を渡航すること数十年。時に飴やら槍が降ったり、晴れから数秒で嵐に見舞われ、春夏秋冬の海域に翻弄されて来た彼らだが。それでも海賊は普段から命懸けで生活しており、天候の変化に絶対の安全も慣れなど無いのである……

そしてこの日も白ひげ海賊団は航海の最中、近くに島が全く見当たらない海域を進んでいると巨大なサイクロンが発生した。船員の一人がマストの頂上の見張り台でサイクロンの予兆を察知して、真下の甲板に集まっている隊長達や船員達に「サイクロンが来ます!」と叫んだ直後のことだ。綺麗な青空に真っ黒な雲が現れて一気に辺りを一帯を覆って渦を巻き、激しい落雷や大雨、海水を振り撒く竜巻や強風による大津波に襲われた



「吹き飛ばされないように注意しろ!!」

「くそっ、なんつー強風だ!!帆を畳んだらしっかりロープで結んどけよ?!」

「外の積荷を中に入れろ!!」



突然の悪天候は最早常識なので驚くよりも大慌て、各部隊の隊長達が自身も動いて迅速な指示を出していく。そして三隻共に千人越えのクルー達が必死に甲板を走り回っている中、7番隊の隊長であるラクヨウの背中に海から飛び跳ねた物体がそのままビチョッと湿った音をたててぶつかった───────






格闘すること数分後。白ひげ海賊団は何とか船体の損壊や積荷の紛失が一切無く、家族全員が無事にサイクロンを回避した。すると室内にいた船長の白ひげが甲板に現れたので、駆け寄った隊長達が現状を報告する。
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