第1章 雪は降り積もる
「うー…寒い!こんな日に何で見回りなのかな…
寄り道してあんパン買ってきたし早いとこ帰って食べよう」
あんパンの入ったレジ袋を抱えながらぶつくさと文句を垂れる隊士、山崎退は雪が降る中見回りを終え屯所へと向かっていた
「まったく…ゴリラは行方不明だし副長はドラマの一挙再放送。雪だしする事もない…ん?」
更に独り言を呟いては頭に乗った雪を払うと屯所の前に何やら物体が見え、目を凝らし近付いて行くと雪を被った髪の毛が目に入り溜め息をつく
「ちょっとー、大丈夫ですか?」
山崎はうずくまる人物の肩をぽんと叩き声をかけるもその人物からは返事がなくまさか死んでいるのではと心配になり、一先ず自分の上着をそれに被せ急いで救援を呼びに屯所へと入っていった