第3章 下っ端の犬
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『何でアンタが返事を、…あ』
部屋に入ってきたのは見覚えがある顔。
土方であった
「犬は起きたか」
「はい。さっき起きて朝食食べました」
「相変わらずのがっつきっぷりだな」
『へえ、ここ犬もいるんです?私猫より犬派なんすよねー』
「「いや、お前の事だから」」
同時にしろなの方を向いた2人は声を合わせて答えた
その返答に反論しようとしたしろなであったがそれを遮るように土方が口を開いた
「シロなんつー犬みたいな名前してっからだ。起きたなら着替えて出て来い時間厳守15分で支度しろ」
『はい質問』
「許可する」
『ほい、着物がありません』
「お前の目は飾りか?枕元にあんだろうが」
その言葉に目線を移すとそこには綺麗に畳まれた藍色地の花柄の入った着物が。
それは今まで自分が着ていた薄汚い茶色の着物とは格が違いしろなは目を輝かせると着物を手に取り眺めていた
「支度が出来たら突き当りを右に曲がれ。そうすると武道場がある。そこで入隊試験を行う…ってオイ聞いてんのかてめえ」
『あ、はいはいはい。たらこスパゲッティの話でしたっけ?私はミートソーススパゲッティのが好きですわー』
勿論、土方の話など耳に入っている訳がなく上の空でそう答えるしろなは生返事を返す
「俺はカルボナーラ…っじゃねえ!!話聞いてたか手前!入隊試験に合格しない場合はその着物は取り上げ、直ちにここを出ていってもらうからな」
『ええ!?マジすかそれ!そんな事になったら着物と共に心中しますからね!』
「迷惑だ他所でやれ!!」