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私が嫌いな私なんて○したっていいじゃないか(短編集)

第5章 メイド喫茶でのハプニング


『ラテアートお造りしますね』

再び顔を笑顔に戻し、ミルクを注いだ。
「へえ、ラテアートできるんだ。凄いじゃん」
『死に物狂いで練習したんでね、もう慣れですよ。

じゃあ、ラブ注がせていただきますね………


美味しくなーれ、美味しくなーれ、世界一甘いラテになーれ♡』






「……」




おい黙るな。
そして黙って笑い堪えてるのも見えてるんだよ






もうほっとこ…


『えっと…そちらのパンケーキもよければ私が描きますけど…』
「え、あ、じゃあ…折角ならお願いしようかな…」
渚さんがチョコペンを手渡した。描きやすいように一旦かがむ

『じゃあ…何かく?ハート?うさちゃん?』
「……」
黙るな。そして悶絶するな

「最後の晩餐」
『チョコ足りない』

とまあネタはここまでにして。こうやってペンサービスに迷う方は意外と今までいたから対応には慣れている。サービス業は手早く待たせない!


『もし決まらなかったら、私のサインにしようか?』
「…!

じゃあさ」

何か思いついたようで急に耳打ちする







「遊夢ちゃんのサインとかって…ない?」





『ッ…!///
ない事も…ないけど…///』
小声で少し低い声色でちょっとドキッとする
「じゃあそれでお願い」

な、渚さんも乗って来たなあ…



子供の頃に拙い頭で考えたダサいサインをチョコペンでなぞっていった。進める度にあの頃の馬鹿っぽさが思い出されて恥ずかしくなる

『で、できたよ…
うう、ここで本名のサインをかくことになるとは…情けない』
「可愛い!普通に使えばいいのに…」
写真を撮る渚さんに、それは勘弁してくれと苦笑いした

『じゃあ、私は仕事に戻りますので…』

背中を向けると腕を掴まれた

「何言ってんの?おねーさんの仕事はまだここからでしょ?」

『え』
「何の為に指名したと思ってんだか」


一瞬地獄を見た気がした







『な、何するのよぉ!』
「とりあえずチェキ撮ろ。
渚君食べさせてもらえば?写真撮ってあげるから」
「うーん…なんか不本意だなぁ…」
『話聞けぇ!』






動画撮影は上手くいきましたが後日赤髪からメールが届きましたとさ

「文化祭期待してるよー♪」


(チェキの画像)



『あの悪魔…』
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