私が嫌いな私なんて○したっていいじゃないか(短編集)
第4章 酔っちゃった!渚.ver
「『うう…』」
翌日、ベットの上で唸る裸体の二人が出来上がった
「ごめん、昨日の事本当に覚えてなくて…その姿だってことは…まあそうだよね」
申し訳なさそうな顔をする渚さん。まあ想定内だ
「本当だったら僕が介抱すべきなんだろうけど…二日酔いで頭痛が…」
『私も…腰がやられて立てません』
横で今日の家事どうしようと悩んでいる彼に言った
『今日はこのままでいましょう』
「え?」
『お腹空いてますか?』
「え、いや別に…」
『なら必要以上の事をする必要はありませんよ。渚さんも今日は休みの筈ですし、ゆっくり休んでしまいましょう』
そう微笑むと、渚さんは少し躊躇いながら再びシングルベッドに潜り込んだ
横向きになると渚さんの整った顔と綺麗に崩れた髪が良く見えた。その時に見える表情だってバッチリと
『お互いいつも忙しいですし、たまにはこうやって何もしないで過ごすのもいいかもしれませんね』
「何もしないで、遊夢ちゃんの顔を見つめるの?」
『そうです。特に目的もなく』
応えると「最高」と彼ははにかむ
お互いの顔を、目を見つめては、愛おしさで笑いあう。これ程くだらなく、至福の時間はないだろう
「ごめんね、僕きっと理性失ってたから…痛かった?」
その言葉が撫でられるのが嬉しくて、大丈夫と言ってしまう。それでも彼は私の心境を分かってくれるから
でも…ごめんね、ずっと我慢させちゃって
「少し寝ようか。おやすみ遊夢」
私といる時だけ、愛情が満杯になった時だけ呼んでくれる私の名前。その言葉だけで私を好きにさせてくれる、生まれてよかったって思える。単純で、愚かでしょ?
『おやすみなさい、渚…』
それを聞いた渚さんは嬉しそうに私の頬を撫で、キスを落としてくれた。そこからは疲れと共に深い眠りの中だ
「良い夢を♡」
―――
おまけ
『私って今まで情事をする時に全裸になる理由が分からなかったんですよ』
「うん。(なんか変な事話し始めたぞ…)」
『繋がるなら局部だけで充分なのに…
でもこうやって何もしないで身体だけに触れあってると何だか分かる気がします。これもいいって』
「!」
『体温の暖かさとか、肌同士が擦れ合うときの気持ちよさとか…凄く…良くて…///』
「遊夢ちゃん…
二回戦やろうか」
『え』
「責任、とれるよね?」