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D.World 2

第5章 投影









そしてそれに降谷君も気付いたらしく名前を眺めている。

俺にはその顔が示す感情がとても良く理解できた。

きっと同じ表情をしているのだろう。


名前が見た俺らの顔は。

グラスを置いた後、俺と降谷君の頭を撫でる名前の

手は俺らからすれば、あまりに小さい。


その手を掴んでキスをすると名前の頬が赤くなった。

愛しさから頬に擦り寄せると小さな手が緊張して僅かに震えている。


だが、それは少しの時間で破られる。



キャル「着きましたよ!」



青年の声で手を離すと執事は急いで車を降り、

ドアを開けた状態を保った。


手前の俺から続いて降りる。


直ぐに名前が降りてくると思っていたが、

キャルという青年に声をかけられた。



キャル「沖矢…さんって呼べば良いんですっけ?」

沖矢「はい。沖矢昴です。」

キャル「52秒…でしたっけ?」


先程の事を気にしているのだと思って正確な

数字を答えると彼は肩を落とした。

0.4秒を省略して話しただけだ。それは致し方無かった。



キャル「…俺トレーニングしてくるんで、後の事“司令”から頼まれても出来ないって言っといて、シオン。」


そう言われた執事はその言葉に対して首を横に振って青年を睨みつけた。


キャル「う…だって、クビよりシオンに睨まれる方がいいよ。それに、緊急時は対応するから。」


シオンという執事はため息をついて早く行けと

言わんばかりに指先を下に曲げて、シッシと遇らう仕草を見せた。



いつ降りて来たのか見逃した降谷君と名前が

船のメインルームと思われる場所へ移動しているの

が目に入り、その後を追った。



数日ぶりに見た場所は前と変わっていない。

ただ、変わっている事があるとすればドアを

開けた先で、目の前に居るのは…






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