第5章 投影
名前「2人とも見た事がある、こっちの執事は“シオン”。
“彼女”は訳あって男性の素振りをしている。
それと安室さんと沖矢さんの前で口を聞かない。
私の指示がある時以外は。」
そう説明された執事は頭を少し下げた。
名前「運転してくれてるのは“キャル”。
明るい人間だが、口が軽くてお喋りだ。
クビにしようと思っている。」
キャル「ちょっとぉ!やめて下さいよ!」
キャルと紹介された彼は以前船で見た時よりも太っている。
安室「…太りましたね?」
名前「ああ、口が軽過ぎる罰で太らせて、
“明日SWATの入団テストに合格出来なければクビにするつもりだ”」
キャル「聞いてない‼︎今聞きましたよ?!明日ァ?!」
名前「今言ったからな。テスト迄あと
18時間もあるんだ、帰ったら頑張れよ」
キャルという青年を哀れんだが、考えてみれば
苗字名前という人間が作った組織は
情報が漏れるのは困るだろう、そこに“お喋り”は
必要ないと名前が判断しても異論を唱え
られない事は容易に想像がついた。
沖矢「ですが、SWATのテストとは一体?」
名前「……」
知らない訳ないだろという目を向けられるが、
その声は聞こえない為、首を傾げてやると名前は答えた。
名前「300m走」
沖矢「ああ…52秒以下で合格ラインの…」
安室「へぇ…詳しいですね?」
透かさず降谷君に突っ込まれるが此れは大した事ではない。
沖矢「調べれば直ぐに出て来ますよ。日本でもSWATの優秀さは人気、ですからね…」