第4章 居所
何があったのかと聞いてもこれまで通り
何も教えては貰えないだろうと思っていると
名前が顔を上げて此方を見つめてきた。
沖矢「如何なされましたか?」
名前「……本部、あそこを覚えてる?」
沖矢「…ええ…」
名前「1週間後、そこに行こう。」
その言葉に首を傾げて名前を眺めた。
1週間後という事は、1週間は何をするのか
を聞きたかったのだが名前はそれに対して
何も考えている様子はない。
沖矢「…1週間は何をするのですか?」
名前「どうしようかな、博士がくれたデバイスでも再度試して記憶を保存してみようか…」
沖矢「……よく…あそこに再び潜ろうと思えますね?」
同じベッドに腰掛けながら名前の顔を覗き込んだ。
名前「…見せたくはない記憶にロックをかけたらどうなる?」
沖矢「閉じ込められる…ですかね?」
名前「やっぱそうだよなぁ…」
沖矢「何がしたいんですか…?」
名前「んー…何だろうな…」
普段なら全てを見越して一歩でも数万歩でも
先を行ける彼女がまるで何も考えれていない
状況を不思議に思った。
沖矢「…飛び降りたのは貴方ですか?」
名前「それはそうだよ」
沖矢「何を試したんです?」
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