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D.World 2

第3章 追憶








変装を解き、階段を登ると名前が立ち止まっている。

名前「…久しぶりに見た」

赤井「そうか?場所は知っているだろ何故入らない?」

名前「流石にそれは…」

赤井「気にしなくて良い。お前なら」

部屋へと脚を進ませ後ろについてくる名前に声を掛ける。

部屋に入ってサイドテーブルにグラス2つとボトル

を置くと名前は脚元にリュックを下ろし、

ベッドの上に座った。

グラスにワインを注いで2人で飲み始めると

名前は甘いと顔を歪めた。

それが新鮮で笑ってやると彼女の手が伸びてきて、

俺の髪の右側を撫でた。


名前「…この前髪、触ってみたかったんだ。」

赤井「…」


その手を眺めながらワインを飲むと名前はまた話してきた。


名前「このワイン、何て種類?」

赤井「…“ポートブラストウニー”と書いていたな」


それを聞いた名前は飲みかけた

グラスの手を止め、此方の顔を見つめてきた。



名前「…それ…わざと?…」

赤井「…何の事ですか?」

名前「…わざとじゃん。口調が沖矢さんになってる。」



名前は笑いながらグラスに口をつけ、ワインを飲み干した。

携帯の着信音が鳴り、彼女がベッドから

立ち上がって窓側に移動しながら携帯に出る。

話し相手の会話は聞き取れないが

彼女の心地良い声に耳を向けながら空いた

グラスにワインを注いでやった。



名前「…ああ、それなら“フィルムだ”と伝えろ。色に囚われるな、外傷を伝え見て疑と。……そうだな、今日は戻れそうにない。…戻る前に連絡する…ん。」






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