第19章 謹慎 ※微
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その頃、あなたは少し泣いてスッキリしていた。
あなた「ふう、あのことは忘れよう!そうしよう!!なかったことに…」
ピンポーン
あなた「ん?誰だろ?はーーい!」
-----わりぃ、オレだ。財布忘れちまって
あなた「洋平!そうなの?カギあいてるから入ってきていいよ!」
ガチャッ
洋「あなた悪いな…ん??なんか目が赤くないか?」
洋(やっぱり…)
あなた「えっ?そ、そうかな?お財布どこに落としたの?」
そう言ってあなたは机の下やソファの下を探し始めた。
洋「あなた」
あなた「んー?」
洋「なにがあった?」
あなた「……どうして?なにもないよ?」
洋「話したくないなら無理には聞かない。でもな、大丈夫じゃないのはバレバレだ。ずっと無理してるだろう」
あなた「…………」
あなたは思わず泣きそうになった。
だが、助けてもらった洋平にこれ以上迷惑をかけてはいけないと、隠し通すことにした。
あなた「ふふ、ほんとになんでもないのに!洋平は優しいね、ありがとね。気持ちだけでも嬉しいよ!」
洋「そうか…」
あなた「うん!」
洋「これだけは言っとくが、何があっても迷惑とか思わないからな。むしろオレは頼られる方が嬉しいんだ。あなたが無理してる方が心配だ。あなたにはずっと笑っててほしい」
あなた「洋平…」
洋「だから、いつでも頼れよな!」
あなた「…………うう」
あなたは我慢していた涙が、洋平の優しい言葉によってまた溢れてきてしまった。
洋「……泣かせるつもりはなかったんだがな」
あなた「ありがとう…洋平…」
洋「………聞いてもいいか?何があったのか」
あなた「……竜って呼ばれてる人が楓を殴った時、容赦がなくて凄く怖かった。楓が心配になった。でも…そのあとすぐに…」
洋平はあなたが震えているのに気が付いた。
あなた「その竜って人に引っ張られて……気付いた時には…キ、キスされてて…怖くて…苦しくて…嫌なのになにも抵抗できなかった……ほんとに怖かった…でも今忘れてなかったことにしようと思ったところ…!へへ」