第4章 【れんかい】僕の好きな人
3人が脱退してから廉とがむしゃらに
走り続けてきた4ヶ月だったけど、
今日はいよいよ岸くんの退所日だなぁ…って
不思議だよね。
もう岸くんがメンバーじゃなくなって4ヶ月たつのに
なんだか同じ事務所に居られる間は
ずっと、そばで見守ってもらってた感じがしてたの。
同じ雑誌にもたくさん載ってたし、
マネージャーとかメイクさんづてに
岸くんの話が耳に入ってきたり、
廉のおかげでラジオで共演もできたしさ。
でも、今日が終わって岸くんが退所しちゃったら
本当に遠くに行っちゃうような気がして―――…。
そんな…なんだか、
ふわふわした気持ちのまま1日が始まって。
今日はライブだったからさ。
昼前から廉と顔を合わせてはいるんだけど、
どちらからともなくお互いに岸くんの話はしなくて。
廉はどう思ってるんだろうって
少しだけ、心配してたら
「MCでは言えんかったけど…、
今日できっさんもこの事務所を去りますが、
頑張ってねって…笑顔で送り出したいです。
僕たちのことも、旅立って行った3人のことも
これからも変わらず、
応援して頂けたら嬉しいです。」
っていうメッセージをライブ終わりに残してきて。
思ってたより落ち着いてるみたいでよかったなって…
そう思ったの。そのときは。
ライブ終わりに、廉とマネージャーさんと
一緒にご飯食べたんだけど、
よく飲んで、よく笑う…いつもの廉がそこに居て。
オレの悪いクセで
心配しすぎだったみたいでよかったなぁ
なんて、楽しい気持ちのまま
オレたちがホテルの部屋に辿り着いたのは23:30。
「ふぅ〜……。」
ホテルの部屋のソファに倒れ込んで目を閉じてると
あと30分したら
webから岸くんいなくなっちゃうじゃん…
なんてセンチメンタルな気分になってきて。
そういえば、廉はブログに何て書いてたんだろ…
って気になっちゃったから、見て。
見たらさ…、
言葉失っちゃったじゃん。
あんなラブレター見ちゃってよかったのかな
っていうか…
どうしよ、、って。
あんな…
大好きと淋しいを
散りばめてさ。
なのに、表向きは気丈に振る舞って。
それがまた…切なすぎるじゃん。
そんなの、健気すぎて泣けちゃうじゃん…