第3章 【きしれんかい】ドッキリに籠められた愛
あの日から2人で支え合ってきた廉と海人は
勿論、そうあるべきだし。
これは本当に喜ばしいことで!!
ただ、俺たちが歩もうとしている道は
確実にもう、違っちゃってて…
俺も紫耀も神宮司も確かにここにいて、
歴史を刻み込むように必死に足跡を残してきた。
ただ、それだけ。
俺たちと廉と海人の間には
超えられない境界があるし、
2人が描く未来のキンプリに
俺たちが残せることは何1つ、なくて。
そういう現実が確かにここにある。
ただ、それだけ―――…。
そんなことを思っていたら
屈託のない笑顔で海人がくるりと振り返って
「岸くーーん! ごめん、やっぱ重いや笑
一人じゃ限界!! 1つ持って?」
ってさっき買ったコンビニ袋を1つ託される。
「うわっ! 海人ダッサ!笑 自分から
『オレに持たせて』言うといてダサっww」
「もー!! じゃあ廉一人で持ってみなよ!
お酒いっぱい入ってるからマジで重いんだって!
廉なら2つどころか、1つだったとしても
オレより先に音を上げてるし!!」
「なんか、怒っとるし…笑
いや、俺はそもそも自分のことわかっとるから
一人で持つなんて無謀なこと言い出さんしな笑」
「何それ! ズルくない?笑 その…
ペーパードライバーのゴールド免許、みたいなやつ。」
「笑!! 海人それおもろいやん!笑」
「えっ…? お、おもろかった?笑」
「おもろかった、おもろかった!
今日イチおもろいんでたんちゃう?
それ、今日の海人のマックスやろ笑
もうそれ以上おもろいんは出んやろうから、
今日はここでお帰りいただいても…笑」
「ねぇ、何で?笑 廉、それはおかしいでしょ?
ねぇ! 岸くん、それはおかしいと思わない?」
「思う思う! 海人、それはおかしいよね笑」
「ほらぁー! 岸くんもそう言ってんじゃん!笑」
そうやってキャンキャン騒いでる廉と海人より
少しだけ、後ろを歩きながら思う。
いつか、俺たちがいないことに慣れて
2人での活動が当たり前になっていくんだよなって。
キンプリとの未来を諦めた俺にはもう
足跡を残すことはできないけど…。
2人の抱えた荷物が重くなったときは
支えたいなって。友だちとして側にいて
せめて足音くらいは残させてよ…
そんなことを願いつつ、2人に駆け寄った。
💜🖤Fin🖤💛