第3章 【きしれんかい】ドッキリに籠められた愛
きっさんがSixTONESのラジオに出演してから
2週間が過ぎたころ、ありがたいことに
『なにもの』のプロモーションで
歌番組に出ずっぱりだった俺たち。
リハを終えて楽屋に戻った俺たちは
それぞれ自分の過ごし方で
出番までの時間を気ままに過ごすんやけど、
海人は…今日もまた、口開けて寝てんな笑。
そんなことを思いつつソファーにもたれて
携帯をいじっとったらマネージャーが
「永瀬さん、実は…」と神妙な面持ちで
おもむろに近づいてくるから笑けてきて。
「改まって何よ。こわいってw なに何?笑」
と返すと、
「実は…永瀬さんの希望、通りそうなんです。」
と耳打ちしてくる。
「……希望? って…何やったっけ?」
「岸くんをラジオに呼びたいっていう…。」
「は?! え…? ウソウソウソ!!
ウソやん!!笑 え…??
や、だって…自分、言うてたやん!!
『お気持ちはわかりますが』言うてたやん!!笑」
「いや、あれは…確定するまではぬか喜び
させたらいけないなと思いまして、、。」
「うっそ! なんそれ?!
自分、マジで最高すぎるやん!!
そこ取り付けてくれたらあとは俺も頑張るから!
マッジでありがとうな!!」
興奮して無意識に大きくなってた俺の声に反応して
「……うぅん…。。。」って漏らした海人に
「ごめんごめん…。」と小さく謝って、
マネージャーと小声で作戦会議をする。
「海人もきっさんに会いたがっとったから
きっさん来てもらう日に
海人も呼ぶとか…良くない?」
「…確かに盛り上がるとは思いますけど、
ラジオ局的にギャラ、大丈夫ですかね…?」
「そんなん、どうにでもなるって!!
2人とファンが楽しんでくれるんやったら
その2回分、俺ノーギャラでも全然いいしな!」
「…ガチじゃないですか笑」
「そこは当然、ガチらせてもらいます!!笑
でさ、それを2人には言わんとって
当日サプライズで鉢合わせ…みたいなさ。
どう?! これめっちゃおもろくない??
ヤバい、想像でもうおもろいわww
絶対アイツらビビらしたろ!笑」
なんて…自分がマネージャーに就いてから
初めて見ると言っても過言ではないくらい
子どもみたいにはしゃぐ永瀬さんを見ていると
なんとしても成功させたくなってしまって。