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愛を込めて、大公殿
第1章 はじめまして。久しぶりですね。
ふぅ…故郷に置いてきた家族のことを思う。
家族が暮らしていくにはこうするしかない。
弟もとうに兵役に行った。
頼れるのは私の出稼ぎで稼いだお金だけ。
ペンダントを開き母の顔を見る。
私は母を愛していた。美しい母のようになりたかった。
母よりだいぶ、くすんでいるが、とび色の、巻毛は私のお気に入りだった。
ドゴン!また、大砲の打つ音がした。
城壁が崩れる音がする。
不安に駆られながらも、決して取り乱さないよう、
私は荷解きに集中した。
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