第13章 勘違いから…
盗賊二人がルシアリアの両脇に来たと
思ったらそれぞれ腕を掴まれる。
「ねーちゃん、ちょっとおじさん達に
付き合ってくれよ」
「すみません。家で妹が待ってるので…」
「もっと良いもん食わしてやるからよぉ」
問答無用で両脇を固められ洞窟の奥に
連れて行かれる。
女の子から自分に意識が向いたのは
計画通りだが、この先をどうしたら
いいか何も考えてない。
危険を知らせるペンダントがあるので
時間を稼いでいたらフォルトが助けに
きてくれる事を祈る。
洞窟の奥は広くなっており盗賊達の
一時凌ぎの休憩場に使っているようだ。
そこには髭の生えた如何にも悪そうな
事をしてますというような容姿の
男が一人待っていた。
「お頭、すいやせん。
ガキを逃がしちまった」
「バカヤロー!ならさっさと捕まえて
こいよ!なんだ、その女は!」
一人がルシアリアから手を離し
コソコソとお頭に報告する。
「ちっ、ガキは残念だったが子供の足で
こんな山奥から村に帰れるとも思えねぇし
魔物にやられるか、帰れたとしても
明日の夜だろう。警備兵が俺達を
追ってくるには時間があるし…
俺達も動くのは明日でいいだろう」
話がつくとニヤニヤとした目で
ルシアリアを上から下まで見て
品定めしてくる。
「あんたくらいの小娘が一番買い手が
多いんだ。売る前に味見してやっからな。
ねーちゃん、今日は一緒に楽しもうや」
盗賊という事を隠そうともせず
近づいてくる。
一歩下がるが腕を捕まれてるので
逃げられない。
誘淫の印が効いてたら
直ぐ様襲われてるだろうからピピの
結界は効いているはず。
なのに盗賊に襲われるとは
どういう事かと頭を
抱えたくなった。
強い力で腕を引っ張られ、盗賊のお頭が
休憩していた古い絨毯の上に押し倒される。
「…っ! ちょっ…止めてください!」
「ねーちゃんもこんな山奥の洞窟に
一人で来たって事は期待してたんだろ?」
「違います!食べ物探してたら
迷っただけで…触らないでっ!」
盗賊の手がルシアリアの腕を固定して
服を捲り上げて胸がさらけ出されて
しまう。
盗賊達は一層下卑た笑みを深める。
叫びたいが女の子が心配して出てくると
いけないので歯を食いしばり堪える。