第12章 エキドナの歓迎
「そうそう言い忘れておったが
誘淫の印は夜の方が効果が強い。
気をつけるんじゃぞ」
「はい。じゃあ、早くフォルトと
合流しなくちゃ」
「もう行くのか?もっとゆっくりして
いって良いのじゃぞ」
マッサージをいたく気に入り、
ルシアリアを引き止めるエキドナ。
「ありがとうございます。
お言葉は嬉しいのですが、
フォルトが心配なので」
「魔王を倒したのじゃろう?トカゲ相手に
引けは取らんじゃろうに」
「私は何もしてあげれないのでせめて
心配だけでもしてあげたいんです。
心配しなくてもすごく強いのは
知ってるんですけど…」
「そやつは幸せ者じゃのぉ。なら
行ってやるが良いよ。そうじゃ、
お主の功績に妾から加護をやろう」
「加護?」
「お主は何の魔法が使える?」
「生活魔法と治癒魔法だけですが…」
「お主らしい魔法じゃのぉ」
エキドナは優しい笑みを浮かべて
ルシアリアの頭を撫でてくれる。
それと同時に全身が淡く光る。
「魔法の効果がほんの少しだが上がる」
「すごい!ありがとうございます!」
加護をもらえるとは思わず感激する。
エキドナも満足そうな顔をする。
「そうじゃ、報告しておこう。妾は
決めたぞ。ここでマッサージ屋を開く!」
「えぇ!本当ですか!?」
「本気じゃ!人間に向けて何か商売を
したいと考えてはいたのじゃが何を
すればいいのか思いつかずにいたのじゃ。
だが、お主にマッサージをして
もらったら、これしかないと
思ったのじゃ!
お主のおかげで人間に変化する事も
可能になったからな。ヘビが苦手な
者でも来れるじゃろう」
「すごくステキですね!お店を開いたら
また来ますね」
「うむ。約束じゃぞ」
お互い微笑み合い別れを告げた。
のちに来る客が絶えない程に人気が
出るマッサージ屋になるのはもう少し
先の話である。