第12章 エキドナの歓迎
「えと…お願いって…何でしょう?」
「何、簡単じゃ。お主の体を隅から
隅まで観察させて欲しいのじゃ。
人間の男は愚かにも妾に挑んでくる者が
いて生け捕りにし隅々まで調べ尽くし
たのだが、女子はこの地に寄っても来ぬ。
人間の事を知るにはいろいろ知りたい
のだが、体の作りも妾と違うところを
見てみたい。どうじゃ?この願い
叶えてくれるか?」
「人間の体を隅々まで…って、
切り裂かれちゃったり!?」
「いいや、傷つけたりせんよ。見せて
もらってちょっと触らせてもらえれば
それで良いのだよ」
「あぁ、それならどうぞ。私で
良ければ」
と、簡単に了承してしまったのを
すぐ悔やむ事になるとは思っても
いなかったルシアリアだった。
「では、別の部屋に移動しようか」
そうして案内された部屋はシングルベッド
の大きさの石段があり実験道具など
ルシアリアが見ても何かわからない物が
たくさん置かれてある不気味な研究室
だった。
「本当に痛い事しません?」
「せんよ。まぁ、この部屋を見れば
心配になるのも頷けるが客人を
傷つけたりせんよ」
「すみません。疑っちゃって…」
「素直でよろしい。さ、その寝台に
服を脱いで横になるがいい」
「え!服を脱ぐんですか!?」
「観察に服は邪魔でしかないじゃろ?」
「それは…、そうですね」
と言いつつも服を脱ぐのに抵抗がある。
「なんじゃ?人間との和平交渉は
諦めるか?」
「脱ぎます!脱ぎますからぁ」
エキドナはルシアリアのお人好しそうな
性格を見抜いて焚き付ける。
下着だけになり石段の上に横になる。
「往生際が悪いのぉ」
魔法で指先をちょっと動かしただけで
ルシアリアの下着も剥ぎ取られてしまった。
居た堪れなくて胸と股を隠す。
すると石段の下からヘビが這い上がって
きて体の上に来たかと思うと腕に
グルグルと巻き付かれバンザイするように
強制的に腕を動かされそのまま
動かないよう固定された。
抵抗しても全く動かせない。
ヘビは細くても全身筋肉な為、力が
強い。しかもただのヘビではなく
魔物なので尚更強いのだ。
「うむ。これで見やすいな」
「うぅ…」
文句も言えず恥ずかしさに耐える。