第12章 エキドナの歓迎
※注意※
ヘビが物語上たくさん出てきたりします。
気持ち悪い表現はないですが苦手な方は
ご注意ください。
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旅に出てからずっとフォルトと一緒
だったので、すでに寂しい気持ちになるが
まじないを解除するまでの辛抱だ。
「さて、それでは私らも行こうか」
今まで隠れていたピピがルシアリアの
肩掛け鞄から、にゅると顔を出す。
「うん!ピピ、案内よろしくね」
「お任せあれ」
こうして不思議な組み合わせで
次の旅が始まった。
シェスト草原はドラク村の手前に
あるのだが同じ馬車に乗らなかったのは
シェスト草原に繋がるワープポイントが
この村にあったからだ。
エキドナの一族はピピが言っていた通り
魔法や魔術が得意で移動魔法の
上位種であるワープが出来る魔法を
使える。行きたい場所へいくつか
魔法陣を配置してあるのだ。
その一つを使ってシェスト草原に向かう
のが一番近くて早く着くらしい。
人が住まなくなって廃れた家の一つに
他の人に見られないよう忍び込むと
古い絨毯の下に魔法陣が隠されていた。
「もう小娘が向かう事は伝わってる。
歓迎してくれるそうだ」
「そうなの?人間って嫌われてないの?」
「人間を嫌う同族もいるが、私は人間に
興味があってこの村で住んでいる。
エキドナ様も本当は人間が
気になっていると思う」
「そうなんだ!和平できるといいなぁ」
和平する為の書類をフォルトから
預かっていたので責任重大だ。
フォルトはルシアリアが気負わないように
和平出来なくても大丈夫と言ってくれたが
そういうわけにはいかない。
任された以上なんとか和平条約も
結びたい。
ピピとその魔法陣の上に行くと魔法陣が
淡く光り出す。
光が強くなって目を閉じる。
「ほら、着いたぞ」
一瞬で目的地に着いたようだ。
次に目を開けるとそこは宮殿のような
立派な建物だった。
「わぁ!本当にワープした!すごいね!」
初めての移動魔法に素直に感激してると
ピピが得意気に胸を張ったように見えた。
「さぁ、エキドナ様がいらっしゃるのは
こっちだ。ついてこい」