第11章 エキドナのまじない
「謝らないで。それより、もう誘淫の印
の効果は…大丈夫なの?」
「それが、朝起きた時は昨夜程の効果は
なくなってきたと思うんだ。
まだヤリたいのは変わらないんだけど
理性で抑えられる程度なんだ。
昨夜は全く理性が効かなくて…
記憶も曖昧で…」
「効果が…弱まった…のかな?」
左手の印を見ると印は残っているものの
昨日よりだいぶ薄くなっていた。
「これを解いてもらうには、エキドナさん
のいるシェスト草原に行かないと
いけないみたい」
「エキドナ!?この呪いをかけたのは
エキドナなのか?」
「ううん。エキドナさんの眷属?の見た目は
ヘビのピピだけど、悪気があって掛けた
わけじゃないの」
「悪気がなくて、こんな呪いかけるなんて
おかしいだろ」
「人間の事を、あまり知らないようで
男の人が寄ってくるのが嬉しいと
思ってたみたい」
「これで怒らないなんてルアくらい
のものだぞ」
「とりあえず、私はシェスト草原に
寄るからフォルトは先にドラク村に
向かって!」
その言葉にフォルトは頭を殴られた
ような衝撃を受ける。
「……は?もちろん俺も一緒に行くに
決まってるだろ?エキドナの一族とも
和平の話が出てるからな」
「そうなの?でもドラク村の方は
被害が出ているから早く行かないと
いけないよね?」
「それは…そうだけど、ルアを
放って行けるわけないだろ」
「私もフォルトと離れるのは嫌だけど
フォルトを待ってる人がいるし
私がついていくとまた他の男の人が
寄ってくるといけないから私は
シェスト草原でこのおまじないを
解除してもらってから行くよ」
「一人で行かす方が心配だ。エキドナ達に
何もされない保証はないだろ!」
「そこは私が保証しよう」
その場に突然現れたのはピピだった。
昨日あの後、やはりルシアリアに
申し訳なくてルシアリアを追って
こっそり付いてきていたのだが、
朝まで部屋に結界が張ってあり
近くに潜んで待機していたのだ。