第7章 一回って?(中編)
全部脱がされ手で胸と股を
隠せるだけでも必死に隠す。
と、そこにリヒターの股が見たこと
ない程大きく誇張してるのが服の上から
でもわかった。
ここでもうルシアリアの限界だった。
「うっ、ひっく ひっく うぅ」
止めても抵抗しても叶わず恐くて
とうとうルシアリアは泣き出してしまった。
フォルトを呼びたくても和平問題に
ヒビが入るといけないので呼べないし
どうしたらいいかわからなかった。
突然嗚咽を上げて泣き出したルシアリアに
ビックリしてリヒターは
尻尾が飛び出てボンと膨れる。
「マ、マジで泣いてるのか?
…本当に嫌だったのか?」
慌てるリヒターに嗚咽で答えられない
かわりにブンブンと首を縦に振る。
「…悪かったよ!今まで俺の事嫌がる
奴なんていなかったから…その…
ごめんな」
ショボンとして尻尾と耳が項垂れる。
リヒターは頭首の息子として大切に
育てられ大きくなってからも
言い寄ってくる雌は多く
拒否される事は今まで一度もなかったのだ。
ルシアリアが落ち着くまでリヒターは
なにもせず頭を撫でてくれた。
やっと落ち着いた頃、
リヒターが話を切り出す。
「もしかして恋人がいるのか?」
「うん。ずっと言おうとしてたんだけど…」
「俺、人の話聞かないって
よく怒られるんだよ。
勝手に舞い上がって
連れてきちゃってごめんな。
人狼族、嫌いになっちゃったか?」
先程と打って変わって耳と尻尾を
垂らしてショボンとしてる姿が
かわいくてルシアリアはつい
笑ってしまう。
「嫌いにならないよ。
人の話はちゃんと聞いた方がいいけど
人狼族のいいところもたくさん
教えてくれたでしょ」
ふわりと笑うその笑顔に耳がピンと
立ち上がり、尻尾が嬉しそうに
ブンブンと振られる。
「ここに来てやっと笑ったな!」
「だってリヒターが全然話聞いて
くれないんだもん」
「うっ、それは俺が悪かった」
「わっ!私、裸のまま!」
リヒターに背中を向けて服に手を
伸ばすと手が届く前にリヒターに
服を取られた。
「リヒター?」
「……入れないから、あんたを
一回イかせてくれ。
このまま終わると
男の矜持に傷がつく!」