第5章 上書き
一緒にお風呂に入る事について
なんて断ればいいかを考えるが
フォルトが先手を取って一緒に入る
理由を答える。
「だって怪我が残ってないか
見ないといけないし、
俺も山の中捜索して汚れたから
早く入りたいし、
一緒に入れば一石三鳥」
「一石三鳥?
もう一つは?」
「ルアの裸が見れる」
「わぁー私は後で入るから!」
「はいはい。いいからいいから」
フォルトはただ体に巻きつけていただけの
シーツをさっさと取り払って
逃げようとしているルシアリアを軽々と
抱きかかえて浴室に入った。
フォルトは小さな木の椅子にルシアリアを
座らせて頭からお湯を掛け
髪から洗ってあげる。
ルシアリアは恥ずかしくて、
借りてきた猫のようになっている。
「俺、細くてサラサラのルアの髪
大好きだ。力、強くない?」
「…大丈夫。…気持ちいい」
「うん。良かった」
髪を洗い流すと次は体。
「大丈夫!自分でできるから」
「うん。怪我がないか確認するからね」
断ったのに手に石鹸を泡立たせ
ルシアリアの体に手を滑らせていく。
「フォルト!やっ、待って」
止めようとするが、フォルトの手は
止まらず優しく背中から洗ってくれる。
「ヴァンパイアに触られたところ、
俺が綺麗にしてあげるから」
「う……ご心配、おかけしました」
「本当だよ。スライムの次は
ヴァンパイアに襲われるって
どういうこと?」
怒りながらも体を洗ってくれる手は
とても優しい。
首筋や胸、お尻などを触られると声が
出そうになるのを必死に堪える。
「ルア?声、我慢してる?」
「んっ そんな事…」
「大丈夫。結界張ったから
声は外に漏れないよ」
「なんていう高等魔法の無駄遣い!」
結界をこんな使い方するなんて
聞いたことないし、
結界を張れる人が
この村にはいなかった。
「こんな時こそだろ?」
胸を大きく優しく撫で回す。
すべすべの肌が石鹸によってより
滑らかに撫でられる。
「ヴァンパイアにどこを触られた?」
「……」
答えないルシアリアの胸の先端を
キュっと摘む。
「きゃ! あっ やぁ!
言う、言うからやめてぇ」
その返事に満足して
先端への刺激は抑えたが
体中を撫で回す手は止めない。