第26章 幸せの光
「綺麗なドレス、もう着る事ないから
もったいない気もするね」
「着たい時はいつでも着ていいんだよ。
俺も着飾ったルアが見たいし…
でもルアは裸でも綺麗だよ」
後ろの紐を緩めサッとドレスが脱がされる。
「あの、先に…お風呂入ろう?」
緊張を紛らわそうとしたルシアリアの
提案にフォルトも服を脱いだ後
ルシアリアの下着も全部剥ぎ取り
お姫様抱っこをして浴槽へ行く。
色とりどりの花びらが浮く広い浴槽に
身体を洗って2人で浸かる。
「花びらが浮いてるなんてステキだね!」
「綺麗だね。ルアが気に入ったなら
家でもやってみようか」
2人の住む家は王都に豪邸を王様が
建ててくれた。客室も多く両親達はそこで
今日はまた宴会をして泊まる予定だ。
豪邸なのでここのスイートルームに
負けないくらいの大きな浴槽もあるのだ。
「家でやるのもステキだけど、せっかく
咲いた花が可哀想な気もしてくるね」
「植物にもお人好しって…本当に
ルアだなぁ」
ちゃぷんと音を立て抱き締める。
肌がツルツルでお互い、いい匂いがする。
「のぼせちゃうからベッドに行ってから
楽しもうか」
身体を拭き、髪の毛は魔法でフォルトが
乾かしてくれた。
そしてまたお姫様抱っこでベッドへ
連れて行ってくれる。
キングサイズの大きなベッドでベッドの
上も花と花びらで綺麗に飾られていた。
その上にそっとルシアリアを下ろす。
お風呂上がりで艶やかな髪に頬も唇も
潤って赤く染まって花に囲まれるルシアリアは
何も身に纏ってなかったが世界一綺麗だと
思った。
愛おしさが込み上げてそっと口づけする。
「やっと俺だけの物にできた」
「んっ 最初からフォルトの物だよ」
「気持ちだけじゃなく形式上もって事。
ルアを…聖女を狙う不届き者は後を
絶たなかったからな」
髪を撫で頬や目尻や額に口づけを
降らせていく。