• テキストサイズ

お人好しは何かと巻き込まれる【R18】

第26章 幸せの光


「やっとこの日がきた…」

フォルトは王都の大聖堂の前でタキシードに
身を包み花嫁であるルシアリアを待っていた。

小さい時からずっとそばにいた大切な存在。
いつも笑顔でみんなに優しいお人好しな彼女。

冒険者になって修行の旅に出ていた5年は
会えなくてつらい日々だったが
久しぶりに会った彼女と変わる事ない
想いを通じ合うことができた。

一緒に過ごす日々は愛しい想いと守りたいと
いう想いが降り積もっていった。

治癒の旅のこの2年も婚約してる自分が
いるのにちょっかいを出してくる者は
後を絶たず苦労した。

治癒の旅が一通り終わりやっとルシアリアを
自分の物にできる日がやってきた。

礼拝堂には両親を始め今まで親しんできた
者達や王族も参列し花嫁を待っている。

パイプオルガンの綺麗な旋律が流れ
ヴァージンロードへ続く扉が開かれる。

ルシアリアは父がいないので
母と入場してくる。

純白のドレスに包まれたルシアリアは本当に
女神のようだった。聖女のローブの
比ではない。この2年でさらに
美しくなり大人の魅力が足され
人々は、ほぅっと溜め息をつく。

一歩一歩とゆっくりフォルトの元へ
辿り着く。ルシアリアの視線はずっと
フォルトを捉えている。

フォルトの背後にあるステンドグラスから
光が透けて照らされてるのはフォルトの
方なのにルシアリアの方がずっと煌めいて
見える。

ルシアリアのお母さんからルシアリアを
託される。

「幸せにしてやってね」

「はい。必ず幸せにします」

ルシアリアのお母さんはその言葉を聞くと
ニッコリ笑って参列に戻る。

ルシアリアを見ると感動してもう涙目に
なっているのがベール越しに見える。

「ルア…」

「ん?」

「綺麗だ」

「!!…ありがとう。フォルトもとっても
カッコいい…」

コッソリお互いを褒めて微笑み合い
神父の前に立つ。



/ 208ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp