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お人好しは何かと巻き込まれる【R18】

第3章 ヤキモチ


ナーナの視線の先には村の女の子に
囲まれるフォルトがいた。

フォルトが村にいたのは5年も前である。
男前でかっこ良くなって帰ってきたフォルトは
村の独身女性達を一斉に虜にしてしまった。

「あぁ、うん。みんな笑顔で楽しそう」

「違〜う!」

のんきに的外れな事を言うルシアリアに
ナーナが怒り出す。

「フォルトが久しぶりに帰ってきて嬉しく
ないの!?女の子達に囲まれて嫌じゃないの?」

「あ、…うん。もちろん帰ってきてくれて
すごく嬉しいよ。でもフォルトは優しいから
女の子をぞんざいにあしらうことなんて
できないんじゃないかな?よく見ると
ほら、ちょっと困ってる」

ルシアリアはくすくすと笑ってフォルトを見てる。

「いや、あれ困ってるというか
無反応過ぎない!?あんたの目、ポンコツ
すぎるよ!?」

ナーナが言うように女の子に
囲まれているフォルトだか、言い寄ってくる
女の子に対し全く興味を示さず、むしろ
懐かしい人達と話すのを邪魔されて
静かにイラついているようだ。

「そういえばそうだった。
あいつはルアにしか
興味を示さない独占欲の強い奴だった。
全然心配いらなかったね」

「そんな事ないよ」

「そんな事あるの!あいつ独占欲強過ぎて
ルアとたくさん遊べるようになったのは
あいつが村を出てからだからね!
これだから無自覚なのは質悪いなぁ」

呆れるナーナに恥ずかしながらも報告
する事にした。

「…実はね、フォルトと想いが通じ合ったの」

「はぁぁ!?やっと!というか、
いつの間に!?さっき帰ってきた
ところだよね?」

「ふふっ、それは秘密」

ルシアリアがダンジョンに行ったのは
働いている教会の一部しか知らない。
ナーナに言えば行くのを止められて
いただろうから。
まさかダンジョンであんな事があった
なんて事は誰にも言えない。

「えぇ〜ルアのケチ!でも、まぁ
…良かったね」

「ありがとう。ナーナも大好きだよ!」

心から一緒に喜んでくれる友達がいて自分は
本当に果報者だなと思う。

「それフォルトが聞いたらヤキモチ焼くからね」

「あはは。そんな事ないよ」

「そんな事あるんだって…」

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