第23章 弱点
「くっ、こんなはずでは…」
その時、魔王が押され決着が着くと思ったら
別の場所からフォルトに攻撃を
してくる者がいた。
「くははははは!苦戦してるようだな!
フォルトを倒そうというなら我も手伝うぞ!」
そう言ってフォルトに攻撃してきたのは
フォルトをここに連れてきてくれたギーニ
だった。
「我もフォルトを隙あらば倒したいと
思っていたのだ!ただ、まだ我の力も
及ばぬからな。お主と共闘してフォルトを
倒そうではないか!」
味方だと思っていたギーニが敵に回り
2対1となる。
それでも力は拮抗し先程より激しい戦いが
繰り広げられる。
どうしようとオロオロしてるルシアリアの所に
シェーラがドラゴンの姿で現れた。
「どうしてギーニもフォルトと戦ってるの?
あなたを助けに来たんじゃなかったの?」
「シェーラ!来てくれたの?」
「えぇ、フォルトがあなたの所に行きたいって
ギーニを呼び出して2人で飛び出して行ったの
だけど、私も気になって追いかけてきたの。
で…どうしてギーニも戦ってるの?」
「それが…ギーニもフォルトを倒す隙を
伺っていたみたいで…」
「本当に戦闘バカなんだから…ルアを助けに
きてるのに敵に力を貸すなんて…本当に
ごめんなさい」
「いいえ!うちの魔王様こそごめんなさい!」
ミリーがルシアリアとシェーラに謝ってくる。
「魔王様が嫌がらせをしたいってのが
そもそもの始まりで…こんなにみんなに
ご迷惑おかけしてしまって…」
それぞれの想い人が心配で戦いを見守る。
全ての攻撃が激しすぎて地形が
変わりつつある。魔王城も巻き込まれ
少しずつ崩れてきている。
それに2人相手でさすがのフォルトも傷を
負っていっている。
魔王とギーニもフォルトにやられ傷だらけに
なっていっている。
しかし戦いは白熱しなかなか決着がつかない。
それを見ていたルシアリアに限界がきた。
「もう止めて!こんな戦いしても
傷付くだけだよ」
叫ぶが戦いに夢中な3人には届かない。
「このまま続くと大変な事になりそうね」
「そんな……そんなのダメ!
シェーラ、ミリー、お願いがあるの!」
ルシアリアはこの戦いを止める為に
2人に協力を願い出た。