第23章 弱点
「ルア、悪夢が続いて嫌な思いをしただろ?」
「…うん。でもミリーと友達になれたの。
ミリーは魔王様が大好きで魔王様の為に
何かしてあげたかっただけなの」
「ルシアリア様…私、ひどい事して生気を
奪ったのに…」
「うん。でもずっと私を気に
かけてくれたでしょ?」
庇ってくれるルシアリアに心苦しくなって
ミリーは顔を歪ませる。
「ルシアリア様…でもっ…ごめんなさい!」
ドォォォーーン
ミリーがルシアリアを引き寄せ大きく後ろに
下がると元いた場所が爆発した。
「フォルト!!」
その場にいたフォルトを心配するが
フォルトは結界を張って
防御しており安心する。
「ふははははは!フォルトよ。よく来たな!」
魔王がフォルト目掛けて魔法を放ったようだ。
「どうして、こことわかった?」
「簡単さ。あの部屋から出た痕跡も誰かが
入った痕跡も見当たらなかった。
突如消えたなら転移魔法を使ったと考えた。
転移魔法が使えるのは魔王かエキドナ
しかいない。エキドナが攫う理由はないから
俺に復讐したいおまえだと思った。
さて…もう一度やられたいのか?」
「この前のようにやられはしない!」
フォルトと魔王の激しい戦いが始まった。
「こちらにはおまえの弱点を握ってる事を
忘れるなよ!」
フォルトがルシアリアをチラッと見る。
「ねぇ、ミリー。ただの嫌がらせだったんじゃ
ないの?フォルトが来たらすぐ離してくれるって…」
「そのつもりだったんだけど魔王様、やっぱり
本人を前にすると熱くなっちゃったのかも…」
「そんな…」
目の前では激しい戦いが繰り広げられる。
だが、見てるとだんだんとフォルトが
押していくのがわかる。
「おまえの戦いは前回ので把握済みだ。今更
負ける気はしない。それにルアは俺の弱点
なんかじゃない。逆鱗だ。前回ので凝りてない
ようだな。死にたいのか?」