• テキストサイズ

お人好しは何かと巻き込まれる【R18】

第23章 弱点


地響きも起こるような大きな爆発だった。

「何!?何かあったのかな?」

「まさか…そんな、早過ぎる」

ミリーが青褪めて音のした方を見ている。

「ルシアリア様、一緒に来て!」

ミリーに手を掴まれ、ここに来てから
初めて部屋の外に出る。

部屋の外に出るとクラウン王国に
よく似た大きな城が目の前に
そびえ立っていた。

荒野の真ん中に建っており寂れた感じがする。
その城の一部が崩れ煙が立ち昇っていた。

「きゃああ!魔王城が壊れちゃってる!」

「一体何が…」

2人で城の正面から壊れた部分を見ていると
その煙の間から大きな影が見えた。

壊れた城の部分に悠然と佇んでいたのは
フォルトとドラゴンの姿のギーニだった。

「フォルト、加減をしろ!」

「これしきでは気が収まらない」

剣を肩に乗せ相手の出方を待っている。

「フォルト!」

離れていて聞こえないかもと思ったが
思わずルシアリアが名前を呼ぶとフォルトは
ハッと振り返った。

「ルア!やっぱりここにいた!」

フォルトが風魔法を使って一瞬で
ルシアリアの近くへ来る。

「ルア!…って…その格好は…?」

フォルトにそう聞かれてルシアリアが今
フリフリの白いゴスロリのレースとリボンが
たくさん付いたかわいい服を着ていた事に
今更ながらに慌てる。

「わぁ、これは、その…ミリーに着せられて」

そんなルシアリアに和みそうになるが
ルシアリアとフォルトの間に
ミリーが立ち塞がりフォルトが剣を構えた。

しかしルシアリアがミリーを庇った。

「待ってフォルト。心配かけてごめん。
…眠れないって相談したらミリーが
ここに連れてきてくれたの」

「ルシアリア様!?」

「おかげてよく眠れて元気になったよ」

ニッコリ笑い、イチかバチかでミリーを庇う。

フォルトに嘘は通じないだろうが
静かに剣を下ろしてくれた。



/ 208ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp