第22章 悪夢
「ルシアリアが悪夢を見て夜眠れてない
だって?」
「あぁ、王都に来てから悪夢ばかり
見てるようで…。ルアの部屋を
確認したが特に変わったところもないし
他の誰かが接触したのは見てない」
城の内部に詳しいジークベルトに悪夢を
見る原因について何か手掛かりを
もらえないか相談するフォルト。
「こうも続くと意図的に誰かが見せてる
としか思えないな…」
「そうなんだ。でもルアに悪夢を
見せて何の利益があるのかが
わからない」
「うーん。誰かがルシアリアを聖女に
したくない…とか?」
「ルアが聖女になるのは城の一部
しか知らないはずだろ?」
「人の言葉に戸は立てられない。
とりあえず回りを探ってみるよ」
「助かる。頼む」
「フォルトが素直になるのは珍しいな。
それより早くルシアリアの様子を見に
行ってあげるといいよ」
「いや、部屋でミリーとお茶するのが
楽しいと言っていたからしばらくしてから
様子を見に…」
「誰だって?」
「ルアに付けてくれた侍女のミリー
って…」
「世話をされるのは慣れてないからと
思って部屋に侍女は付けてないはず
だが…」
「!?…っ、ルア!」
ジークベルトの言う事が本当なら敵は
最初から城内に入り込んでいてルシアリアに
接触している。
嫌な予感がして直ぐ様ルシアリアの部屋に
向かったがそこにルシアリアの姿は
すでになかった。