第21章 癒しの時間
聖女発表の日取りは変更せず、発表までは
心の傷を癒す為にゆっくり過ごす。
ジークベルトとティアナも直々に謝りに
きてくれた。
最初はルークビルクに似た容姿の2人に
ビクッとしてしまったがフォルトが
さり気なく背中に手を当ててくれ表面に
出さずに済みルークビルクとは別人と
思い直せ向き合えた。
ジークベルトは責務がいろいろ伸し掛かり
政務が忙しくなっているようだ。
ティアナは兄のした事にショックを
受けておりルシアリアが反対にティアナを
励ました事によりさらに仲の
良い友達となれた。
ティアナに城の中を案内してもらったり
街で人気のあるお菓子でお茶をしたり
図書館で一緒に読書をしたりして
過ごした。
その合間、ルシアリアは度々侍女のミリーを
視界の隅に見かけた。
ここ数日はフォルトが離してくれなく
フォルトの部屋で寝ていたが仕事がなく
寂しそうなミリーを見る度に心苦しく
思えてきた。
「フォルト、今日からは自分の
部屋で寝ていい?」
「ルア!?どうして!?俺と一緒に
いるのが嫌になったのか!?」
突然の申し出にかなりショックを
受けるフォルト。
「違う違う!そんなわけないよ!
でもほら、王城にいる間は節度を保たないと
いけないし、ミリーも私が部屋に
戻らないと寂しそうで…」
「ミリー?」
「私の身の回りのお世話をしてくれる
侍女さんだよ。私が部屋に戻らないと仕事も
特にないみたいで寂しそうにしてるから…」
「俺だってルアがいないと寂しい…」
「すぐ隣だから。ね?」
「ん〜、まぁ毎日寝る前に抱いてたらルアも
体力保たないよな…」
「違っ…そういう事じゃなくて…」
「くくっ…わかってる。でもたまには一緒に
寝ような」
「うん!」
この日は久しぶりに最初に割り当てられた
部屋に戻った。