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お人好しは何かと巻き込まれる【R18】

第20章 隠し部屋


「…城を捜索し、街中探したが
見つからなかったし…その前に
城を抜け出た痕跡もどこにもなかった。

王都に来たばかりでルアの能力を
知る者も限られてくるし証拠が残らなすぎた
から城に詳しい者に絞って探していた。

何度も探したが、やはりおかしいのは城
だと思ってもう一度城をくまなく
探してみたら部屋があるはずのない所に
結界が張ってるのが僅かにだがわかったから
力尽くで破壊させてもらった」

「そんな…結界が力尽くで壊れるなんて…」

「魔法が得意なのはおまえだけだと思うなよ。
それにルアがいなくなってお前が
一番に城の外の者を疑っていただろ」

「その可能性も高かっただろう!?」

「王城への侵入はそう安々とできないのは
知ってるだろう?それに誰にも気付かれずに
ルアの能力がわかった日にすぐに
連れ去られるなんて城の内情に詳しい者が
一番怪しいだろ。
ルアが欲しくて急ぎすぎたのが
仇となったな。

ルアが助けた侍女もな、何も
覚えていなかったが、ルアに
助けられた事だけは覚えていた。
…そして事情聴取の中であんたの
名前が出ただけで震えていた」

「そんな…薬が効いていたというのに
記憶が残っていたのか!?
僕の詰めが…甘かったというのか…?」

「死にたくなければルアを解放しろ。
今の俺はあまり手加減できないからな」

「待て!こいつを王妃にしてやる。悪く
ない話だろ?毎日贅沢し放題…」

「死んでもお断りだ!」

ルークビルクが動く隙も与えず一瞬で
近づき手刀を首の後ろに叩き込み気絶させた。

「殺されないだけありがたく思え」

気絶して倒れたルークビルクを冷たく
見下ろした。

「ルア!今助ける!」

まず目隠しを取り猿ぐつわを外す。

「…っ、ぷはっ…フォルト!フォルト…」

壊れたように愛しい人の名を繰り返す。
目は泣いて真っ赤になっている。

「うん。今外してあげるからもう少し
待って…」

手足のベルトを外すと付けていた部分が
擦り切れ赤くなって痛々しかった。

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