第19章 王様との謁見
わがままを言って治療させてもらえる
ので気合いを入れて王様の胸に手を
かざす。
みんな静かに見守ってくれている。
温かい光が王様の胸を中心に灯る。
すると胸にあった黒いモヤが消えていった。
ルシアリアにとっては、いつもの治療と
変わらなかったが光が消えると王様の
様子が変わった。
「なぜだ?息が…しやすい…」
信じられないというように胸の辺りを
擦っている。
「王様?えっと…どうだったでしょうか?」
「信じられん!今までの胸の痛みや重みが
嘘のように消えた!医師を呼べ!」
直ぐ様近くに待機していた医師を呼び
魔法で体の状態を見てもらうと
全くの健康状態になっている事に
医師も驚いていた。
病気を治せた事に改めて喜ぶ。
「良かったぁ。これってもしかして…
エカテリーナ様の加護のおかげ…かな?」
エカテリーナからの加護の内容を聞いて
なかったが新しく出来るようになったので
そうに違いないと確信を持つ。
「ルア、すごいじゃないか!」
フォルトも褒めてくれて嬉しくなる。
「ルシアリア、父を助けてくれて
ありがとう!」
ジークベルトとティアナが来て感謝を
述べる。
「あなたには感謝しても
したりないですわ!ぜひ私と
お友達になってくださる?」
ティアナがキラキラした目でルシアリアに
詰め寄ってくる。
この押しの強さは兄弟似ているなと思い
ながらも王女と友達になれるなんて
大歓迎なのでティアナの手を取る。
「もちろんです。私こそティアナ様が
お友達になってくださるなんて光栄です」
「あら、友達なら樣付けしないで呼んでね。
私もルアと呼ばせてもらうわ」
「はい。喜んで」
友達が出来た事に喜んでいると別の場所
から声が掛けられた。
「他の病気も治せるのか?」