第18章 王都の1日目
「ルア、ただいま。って…
何があった?」
ルシアリアのいつもと違う様子に
フォルトがすぐ気付いてくれる。
ルシアリアは何も言わずにフォルトに
抱きついた。
フォルトも無理に聞かずただ抱き締め
返してくれる。
その温かい腕の中でやっと安心する。
「とても…嫌な夢を見たの。恐かった…」
「夢?…どんな…?」
「……覚えてない…」
ただ抱き締めてくれるフォルトに身を
任せ甘える。
(前もこんな事あったよな…その時は
魔物の気配が残ってて…追跡したけど
何も情報は得られなかった。
またそれと同じ奴じゃないよな…?)
フォルトはルシアリアが落ち着くまで
何も聞かず抱き締めてくれていた。
「もう大丈夫…ありがとう」
「本当に?無理してない?」
「うん。フォルトのおかげ」
「ルアが元気になるならずっと
こうしててあげるよ」
ルシアリアの為というより自分がずっと
こうしていたい気持ちに駆られるフォルト。
「ありがとう。大好き」
ふわっと笑うその笑顔に今すぐベッドに
押し倒したくなるのを我慢する。
我慢する為に別の事を考えようとして
思い出す。
「そういえばルア宛に届け物がきてた」
それはとても大きな箱で綺麗に包まれている。
「え?私に?誰から?」
「えっと……ジークからだ」
差出人を確認して何か思い当たったのか
顔を歪めるフォルト。
「何だろう?開けて…いいのかな?」
「変な物ではないよ。とりあえず開けて
みたら?」
そう促され丁寧に開けていく。
箱の中に入っていたのは晴れた空を
思わせるような水色の綺麗なドレスだった。